特別カリキュラム、ESOLとTAGクラス

アメリカの学校では公平とか平等という考え方が日本とは違う、

能力や志向が違う子供達を同じ内容の教育で同じレベルにしようと

することが、そもそも虐待とまではいかないまでも、無理だと全員が考えています。

だから、よその子の学力をすごく気にしている親というのが少ないのです。

肌、髪、目の色さえ、親子でも違う、体格の差は、日本での差よりずっと大きく

人によっては、入学時期さえ、早くしたり、遅くしたりします。(1学年に一人、二人ですが)

他人と同じ、というユニフォーム文化が、日本の通り一遍の無難な教育を生み出して

いるんです。時代とともにみんな海外からの情報や地方での情報が容易に入るように

なって、そういった古い教育方法は受け入れられなくなり、今の不登校増加を

促しているのは間違いないでしょう。

この背景もあり、教育水準が高いといわれている学区の場合は、特別なカリキュラムが

色々存在します。

英語を母語としない、生徒のEnglish Second Language class(Oral が入るとESOL)これは

持ち出し授業で、毎日別のクラスで無料で受講できます。そのためには、

入る入らないのスクリーニングテストを転入時に受けます。(アメリカの場合

スクールの登録の際に、家庭の言語を聞かれます、そこに別の言語をかくと

自動的に、全員スクリーニングをうけるのです。アメリカ人で、どんなに成長が遅く

英語が下手でもスクリーニング検査をうけることはできません。これは、娘が学校

入ってから、クラスに自分よりスペルができないのに、ESOLにいない。と訝しがって

いてわかりました。)

この地区では、WIDAと呼ばれるListening, Reading, Speaking, Writingの4つの技能を

コンピューター式テストで学期末近くに一度行われます。

このスコアが、キンダーの時はほぼ5点満点近いスコアだと、卒業です。それ以上の

上の学年は、全ての項目が4.5以上でした。

そして、まあ日本人(アジア人)は絶対にspeakingで達するのが難しいのです。

大人も子供も一緒です。読み書きはアジア人全般に得意で、子どもは聞く力も

あっという間においつきますが、家で話す機会がない上に、学校でも聞き側に

まわってしまう、更にコンピューター式は画面に向かって、30秒以内にこたえなければ

ならない。ということで、低学年であればあるほど、難しいようでした。

次女は、一年目はspeakingで落ちて、翌年もESOLでした。

ESOLは、素晴らしいカリキュラムで、楽しいし、内容もサイエンスとヒストリーを

交えたような事を常にやってくれるので、早く抜けることはさほど気にしていません

でしたが。この地区の韓国人、中国人の永住組は、自分の子を抜くのに必死な感じで

ESOLのペアレントミィーティングでもWIDAのやり方にクレームつけたりと。

とりあえず、怖かったです。

そんな、ESOLにいる娘が学力調査で全米上位1%をたたき出して、

その後どうなったかというと。

カウンティとよばれる教育委員会のようなところから、才能がある子供だけを選抜して

行っている、Talented and Gifted class(TAG)のスクリーニング検査に

招待されたのです。学校で、TAGという頭のいい子のクラスがある。というような

話は子供達から聞いていましたが、第二言語で授業にもついていくのがやっとの

子どもが招待されるので、とりあえず、大喜びして、やってみろやってみろ!と

受けさせることにしました。