新しい日本からの生徒

先週、日本から新しい生徒が学校に来ました。小学生と高校生のご兄弟で5thと9th

なので上と下が同じ学校です。小学生の子は、ご両親が英語ができない、と話していた

からか、登校前から、息子は「通訳をしてもらうから。」と担任から言われていたそう

です。なのでてっきり同じクラスかとおもいきや、別のクラスで、朝から通訳に呼ばれ

最初の段取り的なことを通訳したそうです。その後は、recessの時間に、生徒の方から

よばれて、日本語に訳すように言われ、休み時間に遊べるように、間に入ってあげた

と。やっぱり男子なので、面倒だった。という感じでしたが、うちの長女は、当時5th

の時に永住日本人の子に、訳してもらおうと「次の教科って何?」と聞いたら、

「きょうかって何?」と聞き返されて、その後二度と頼ることはやめたそうで。

英語で聞いたことを、日本語に概訳することはできても、日本語から英語に訳す方が

難しいような感じがします。

それほど日本語には色々な表現があります。その永住の方が、「顔を洗う」は分かる

けど、「洗顔」は分からない。また、こちらが漢字を教えている時でも、

「こうどう」という言葉を聞かれても「行動」「公道」「講堂」と小学生で習う漢字

だけでも、色々あります。「教科」も、「授業」「科目」「クラス」どの言い方でも

日本の小学校でなら使えます。

アメリカの学校にいて、日本語を聞いた瞬間にどの意味かを理解して英語に訳す。まあ

そこまでの日本語力が息子にあるか不明で、とても不安でしたが、全てのクラスが違う

ので、ほとんど会わないそうで、内心ほっとしています。

 

こちらの地区には、日本語を毎日教えるチャータースクールがあり、去年、一人の

日本人の男の子が、どうしても現地校に馴染まない、とチャータースクールに

転校してしまった。という事があったせいか、今回は、来る前から学校側では、

ケアーしていた気がします。

息子が入るのが半年早ければ、その子も現地校で嫌な思いをせずに済んだのかも

しれません。私たちの近くでは、あまり現地校が合わなかったという話は聞かないの

ですが、数多くの日本人の子供が渡米して、約10パーセントは、合わずに、不登校

気味だったり、友達がいない。と言っていたり、それは現実ですね。

高校生の娘を見て思うのは、高校生にもなると、海外で育つこと、海外の学校を卒業

していることに大人と同じ目線で「興味」や「尊敬」の意識がありますが、小学生は

よくも悪くも無知で、そのせいで、英語ができないこと=バカ、と誤認しがちな気が

します。あとは、アメリカ生まれの日本人と、日本で育った日本人では違うという

環境の違いも実感としてわかっていない、そんなせいで、容易に傷つけてしまうのでは

ないかな。と。

このチャータースクールに転校した子とは、偶然日本語の塾で、一緒になって、お互い

英語ができてすごいね。日本語できてすごいよ。というようにとても尊敬しあった

素晴らしい関係が築けています。彼は、自分が傷ついたので、息子が漢字が読めなくて

も決してバカにしないで、根気よく教えてくれます。

日本語ができることと、英語ができることは、さほど大した違いじゃない。心からそう

思える日がくるといいですね。