緊急入院

2歳5か月違いの姉妹を育てる忙しい日々。仕事人間の夫は夜中まで帰らないのが

当たり前、ワンオペ育児真っ只中。

下の子は、普通のやんちゃな元気いっぱいの娘、それに比べて上は、反応が悪く

自閉症っぽさは変わらず。下の子と遊ぼうとして手を出してくるのさえ鬱陶しい。

死にかけてまで生んだ下の子だけを溺愛するようになっていきました。

上をかわいいと思えない。これは長く続きました。

育児相談で、嘘でもいいから、寝ている上の子にかわいいね。って言ってあげて。

と言われて。試したり。なかなか道は開けないまま。

下の子は一歳目前のある金曜日、朝から珍しく元気がなく、食べても吐いてしまう。

でも熱がなく、お話もできる。ちょと様子みようと、いつも通りに

上の子の習い事にいって、散歩していてもあまり歩かない。

おかしいな、と思いながらも、痛そうでもないので、主人に上の子を頼める翌日に

病院を予約して、その日は早めに寝ることにしました。

下の子が寝ていると、突然泣き出して、走ってきて、抱っこすると、お腹が痛いのか

うん、うんうなって、変なにおいの便がでました。

最初は便秘だったのか。と思っておむつをあけると、血便が大量に。

ギリギリ、かかりつけ医の診療に間に合ったので、そのまま連れて行くと、

「腸重積」、24時間以内に処置しないと壊死の恐れあるから、このまま緊急病院へ

いくように、言われ、もう真っ白になり、上の子は主人の会社の前で下してそのまま

緊急外来へ。すぐに、裏につれていかれ、処置されて、ずいぶんと時間がたってから

タオルに包まれて、眠った状態で娘が戻されました。

通常の浣腸をやってみましたが、ダメだったので、オペができる、子ども病院へ救急車で搬送する。と説明され。組織的ですが、子ども病院は第三次緊急機関だとかで、

直接訪問することができないそうで、救急車の手配を待つことになりました。

すると、腕の中で、娘がうめき声をあげると。抱える腕の間から、液体が落ちてきました、白いバスタオルは血の色にそまり、床には血の溜まりができ。

「ああ、腕の中で、死んだのか?」と思って震えがとまりませんでした。

急いで看護師に「血が」というと、後ろから医師がでてきて、

「ああ、それ大丈夫です、浣腸の戻り液に血が混じってるだけなんで」って割と

冷静に言われて。確かによく見ると、ピンク色でした。

救急車に乗って、一緒に搬送され、同意書にサインするように言われました。

内容は、「高圧の浣腸をしますので、破裂の危険があります、破裂した場合は緊急オペになります。」何があっても、医師の判断に任せます。

というような感じで。もう怖くて。

最初から、オペしてもらう方が安全な感じがしますけど。とだけ確認しました。

医師は、一歳前の子供にオペをしてしまうことは、一生その経過観察がついて回って

10歳くらいまで、通院になってしまうし、普通の生活ができない可能性がある。と

絶対にオペなしで、治せるなら、可能性にかけた方がいいんです。と言われ。

同意して、娘を渡しました。

一歳前、麻酔なしで、夜十一時ごろに、すでにぐったりしているうえに、

高圧浣腸、誰もいなくなった病院の中で、「ぎゃーーー」「ぎゃーーー」と

のどがつぶれるまで泣き叫ぶ娘の声だけが響き渡っていました。

本当に死んでしまったかと思うほど、叫び続け。三十分ほどで、医師がでてきて。

「もう体力的にこれで最後。という最後の一回で絡んでいた腸が戻りました。ラッキーでした。」と

オペにならずに、済みましたが、腸重積、再発率は三日以内が7割とのことで、そのまま入院。